鎌倉駅から散策がてら、歩くこと28分。
鎌倉宮(大塔宮)行きのバスに揺られても辿り着けるお気に入りの場所。
今回は、「史跡永福寺跡(しせきようふくじあと)」をご紹介します。
源頼朝が建立した寺院跡
永福寺は、源頼朝が奥州平泉を攻めたあと、奥州藤原氏や源義経など、戦いで亡くなった数万の将兵の鎮魂のために建てた寺院です。
平泉で毛越寺(もうつうじ)や中尊寺をみて、永福寺の建立を思い立ったとされ、源頼朝が建てた3大寺院のうちの1つです。
史跡永福寺跡は、発掘調査でみつかった建物の基壇や苑池などを復元整備し、史跡公園として公開されています。
歴代の将軍によって、境内では華やかなお花見やお月見、蹴鞠などの行事がおこなわれていたようです。
敷地内にある池は、地盤の保護や周囲の環境の調整のため、当時の大きさよりもせまくなっているようです。
とはいえ、全長100m以上はある大きな池。
規模の大きさを彷彿とさせられます。
おおきな池の周りは開放的なので、お散歩にもぴったりです。
犬の散歩や自転車の乗り入れは禁止されているので、お休みの日でも人が少なくてのんびりできます。
現存しない永福寺ですが、中心に二階堂、左右に薬師堂、阿弥陀堂が配置され、それぞれ各3人の有力御家人が奉行として住んでいたとのこと。
近くで見るとこんな石?が規則的に並んでいます。
直径30cmほどありました。
私たちが永福寺を訪れた時間は12月の午後1時です。
すでに建物側はこんなに日陰……
案外、薄暗い生活をしていたのかもしれませんね。
にぎやかな声!
と思ったら、子どもたちが遊びに来たようです。
国指定の史跡とはいえ、鎌倉に住む子どもたちにとってはただの「広い公園」。
思う存分走り回れる「遊び場」になっています。
「AR永福寺」で原寸大の復元CGを楽しめる
永福寺跡の敷地内に配置された、「AR永福寺」。
湘南工科大学長澤・井上研究室の技術によって、鎌倉市と協働作成したスマホアプリで、永福寺の復元CGを楽しめます。
端末にアプリをインストールして立ち上げ、カメラでQRコードを読み取るだけなので簡単です。
敷地内に数か所設置してあるので、観光の方たちは復元CGで楽しんでいらっしゃいました。
休日でものんびり過ごせる居心地の良さ
史跡永福寺跡は、駅から少し離れていることもあって、メインの観光地に比べると格段に人が少ない場所です。
建物がないので長居する方が少ないのかもしれませんが、おかげで休日でものんびり過ごせます。
ところどころにベンチもあるので、読書やぼーっとしたい時におすすめです。
この日は娘とおにぎりをいただき、トンビと格闘していましたが、1人でもよく足を運んでいます。
今はなき永福寺をイメージしつつ、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
史跡永福寺跡(しせきようふくじあと)
住所:神奈川県鎌倉二階堂209
アクセス:JR横須賀線、湘南新宿ライン、江ノ島電鉄「鎌倉駅」から徒歩28分
「鎌倉駅」から「鎌倉宮(大塔宮)」行きバス8分終点「鎌倉宮(大塔宮)」下車+徒歩5分程度