さまざまな神様と出会える? 岬の上にそびえる鎌倉・腰越の小動神社へ
2020年10月15日

腰越漁港のすぐ近くにある、ここ、小動神社。

さて、皆さんは、「小動」と書いてなんて読むか、ご存じでしょうか?

「しょうどう」「こどう」「こうごき」…チッチッチッチーン!

残念、時間切れ! 正解は「こゆるぎ」です。…って読めませんよね?

「動」を「ゆるぎ」と読むなんて初耳。

最初は私も、「なんて読むの?」とちょっと考えちゃいました!

海で働き、海を楽しむ人々を見守る小動岬

場所は腰越駅から5分ほど歩いた海沿い。134号線を渡ったところ。

鎌倉方面から134号線沿いを歩いて腰越まで向かうと、

小動岬はこんなふうに見えます!

鎌倉と聞くと「ホニャララ浜」なイメージが強いかと思いますが、

海も近くて、江ノ島にもスイッと遊びに行けて、

カフェやバー、おそば屋さん、もちろん魚介を扱うお店もいっぱいで、

見どころがたくさんある腰越。私は大好きな街なんです。

なぜここが「こゆるぎ」という名前になったのかというと、かつて

風がなくてもゆらぐ美しい「こゆるぎの松」があったからなのだとか。

そういえば“神風”なんて言葉もあるくらいですから、

風ってなんか、神様がやって来た感がありますものね!

岬に建つ小動神社は、源頼朝に仕えていた武将・佐々木盛綱が、

風光明媚なこの場所と松の木を気に入って1185年に創建したのだといいます。

佐々木盛綱は源平合戦で活躍した人物で、凱旋した盛綱が

故郷、近江の守護神・八王子宮をここに勧請したそうなのですが、

ということは、昔はもっとここからの眺めが美しかったのかもしれませんね。

神様だらけの神社で、あなたなら何を祈願する?

鳥居をくぐってすぐ、左手に見えるのが安産・育児の鬼子母神。

あれ、鬼子母神って仏教じゃなかった?と調べてみると、やっぱり…。

これ、聞くところによると、どうやら神仏習合の名残のようです。なるほど。

さらに参道を行き、階段をのぼると右手に見えてくるのが本殿。

こちらには狛犬さんがいらっしゃいますが、

実はこの狛犬、地元漁師さんたちの御寄進なのだそう。

この神社が街の海人たちに愛されていることを改めて感じます。

私は、歴史のみならず宗教ごとにもまったく疎い人間ではございますが、

こちらに祀られている神様についてちょっと調べてみたところ、

小動神社の御祭神は複数…(なぜ?)。

水難、火難、病難除けや五穀豊穰の健速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)、

五穀豊穰や開運、仕事運、長寿などの建御名方神(たけみなかたのみこと)、

出世、合格祈願、商売繁盛などの日本武尊(やまとたけるのみこと)、

えっ、そんなに御利益がある神社って…なんかちょっとすごくないですか?

しかも、まだこれで終わりじゃありません。

本殿に手をあわせた後、後ろにクルッと振り返ると見えるのが、第六天社。

これは日本人の人気武将ナンバーワン(たぶん…)の

織田信長が信仰していた神様なのですが、

信長なき後、天下を取った豊臣秀吉が廃社してしまったことで、

関東近県では祀っているところが少ないんですって。なのに、ここにいる…。

いろいろ詳しく書くとここではきっとおさまりませんので、

ご興味のある方はご自身で調べてみてくださいね!

さらに見回すと、お馴染みの稲荷社に金刀比羅宮まで!

金刀比羅様も確か航海の安全や海難から守ってくれる神様ですから、

腰越にいてくださって不思議ではないのですが…

「なんちゅう、神様のオンパレード!」

と、思わず声に出してしまいました…。失礼いたしましたっ!

幕末時代には、異国の船がやって来ることを報せるための

拠点の一つにもなっていたという小動神社。

今の展望台からはこんなふうに江ノ島までがのぞめます。

遠い時代の人々にはこの景色がいったいどんなふうに見えていたんだろう…

なんて、雨上がり、優しい風が吹く高台で、

なんだかちょっとボーッとしてしまいました。

過去と現在が交差する腰越の街。

ぜひ皆さんも、鎌倉にお越しの際は

腰越にある小動神社にも立ち寄ってみてくださいね。

小動神社

住所:神奈川県鎌倉市腰越2-9-12

アクセス:江ノ島電鉄腰越駅より徒歩5分

     鎌倉高校前駅から徒歩11分

     江の島駅から徒歩13分