鎌倉・長谷で、いろいろな「大仏様」を探して
2020年9月3日

マスク姿の人が闊歩する街、おうちで過ごす自粛生活、

海水浴場が開設されなかった夏休み、いつもとは違う毎日。

今年は年が明けてから世界中でいろいろなことがあって、

本当なら東京オリンピックが開催されていたはずの夏ももう終わり。

でも、9月を迎えた鎌倉ではまだまだ息苦しいほどの夏日が続き、

暦通りなら、とっくに秋の気配が漂う街の頭上には、

真夏のような青空が広がっています。

ここは秋も楽しい場所。もう少ししたら山々は色づき、

冬の足音が聞こえてきたら、新しい年に向けた準備が始まる。

何年いても、何度歩いても、この街は訪れる人を飽きさせません。

そんな楽しい鎌倉の観光で絶対に外せないのが大仏様ですよね。

今日はお散歩がてら、日本を、いえ、世界中を襲った

この苦難を無事に乗り越えられるよう大仏様にお願いしようと、

長谷にある高徳院まで歩いてみました。

鎌倉大仏は、ここ高徳院のご本尊です。

大仏様は真っ青な空、照りつける陽射しの中でも優しく微笑む

高さは台座を含めておよそ13.35m、重さ約121t、

1958(昭和33)年に国宝指定され、「露座の大仏」として広く知られる

鎌倉大仏の正式名称は、銅像阿弥陀如来坐像です。

造立が始まったのは1252(建長4)年。

当時のことはいまだに不明点が多く、作者もわからない。

創建には浄土宗の修行僧だった浄光が日本各地をまわり、

勧進した浄財があてられたと言われているそうです。

とにもかくにもこれが遠い昔、鎌倉時代の人々によって造られたなんて…。

これからも大事に守っていきたいですね。

高徳院の中は意外と見どころたくさん!

別途拝観料を払えば、大仏様の胎内に入れるのは

ご存じの方も多いかと思いますが、

実は高徳院の中にもう少し目を配ると、もっと楽しいんですよ。

まずは回廊に飾られた「奉納大原草履」。

およそ90×180cm、重さは片足だけで約45kgという驚きのサイズですが、

こちらは1951(昭和26)年、戦後間もない頃に

茨城県の子供会が村の産業祭に出品した草履を

「復興や平和を見守るため、大仏様が日本中を歩いて回れるように」

という願いを込めてここに奉納されました。

これを機に、今でも3年に一度、新しい草履が納められているそうです。

その他、大仏様の背後に飾られた蓮の花びらを模した4つの装飾が

江戸時代に造られたもので、本当は32個造る予定だったことや、

大勢の観光客の皆さんが何気なーく座っている大きな平石は、

「大仏殿礎石」といって、もともとは大仏様が座っていた台座で、

56個も点在していることなどは、

意外と知らないという方もいるのではないでしょうか。

帰り道、“食べられる”大仏様にもご挨拶!

この日高徳院の中は、人がいっぱいだったので密になってはいけないと、

大仏殿礎石に座るのを諦めた私はというと、

ヒリヒリするような陽射しに屈し、とあるカフェへ向かいました。

それが駅までの道のり、長谷寺近くにある

ここ「KANNON COFFEE Kamakura」。

「大仏様の話をしていたくせに、急にKANNON?」

と思う方もいらっしゃるでしょうが、はい! 間違いではありません。

こちら、名前は「カンノン」でも、

かわいい大仏様クッキーが食べられるとSNSで話題のお店。

帰りに立ち寄ろうと、来る前から決めていました!

こちらの本店は、名古屋の大須観音近くにあるためこの名前になったそうで、

鎌倉には2017年に誕生したコーヒースタンドです。

これがまた外観も、コーヒーを注ぐ紙コップも、

何から何までかわいくて、とにかく「映える」お店。

汗だくな私が注文したのは、冷たい黒ゴマのドリンクと大仏クッキーです。

飲んだ瞬間、「ああ、生き返る〜」と思わず声がもれてしまいました(笑)。

ちなみに、大仏クッキーは単品での購入できませんので、

何かとご一緒に注文してくださいね!

鎌倉大仏殿高徳院

住所:神奈川県鎌倉市長谷4-2-28

交通:江ノ島電鉄・長谷駅より徒歩8分

TEL:0467-22-0703

KANNON COFFEE Kamakura

住所:神奈川県鎌倉市長谷3-10-29

交通:江ノ島電鉄・長谷駅より徒歩3分

TEL:0467-84-7898

営業時間:10:00〜18:00

定休日:無休